第3学期終業式式辞
2024年3月19日 13時17分令和5年度第3学期終業式 式辞
皆さん、おはようございます。
さて、今日で令和5年度が終わります。皆さん、この一年間どうでしたか?この一年を振り返ったときに、うれしかったことや悔しかったことなどが数多くあると思いますが、自分は成長したと感じることができますか?
4月に長高に赴任してきたとき、令和5年度の重点努力目標のサブタイトルを「今、長高(ここ)でしかできないことに全力で取り組む長高生の育成を目指して」としました。それを基に4月の始業式と入学式で話をしました。覚えていますか?始業式では「やりたいこと」と「やらなければならないこと」の優先順位を間違えないように、と話をしました。その一つとして毎日の10分間の清掃を真剣にして欲しいと言いました。先生の経験から毎日の清掃を真剣に時間いっぱい、やることを自分で見つけ、人のため、と思って清掃する生徒は大学受験の結果も良好でした。「今」ここで何をどうしなければならないかがわかって、行動しているからです。入学式では、「一所懸命」という言葉を送りました。「一つの所で懸命に努力する」という意味です。家で勉強もせずにゲームに明け暮れたり、友達とラインで夜遅くまで話をしたりしていませんか?そんなことは長浜でなくても、高校生でなくてもいつでもできることです。そんな生活をしていて何が残りますか?友達と教室で楽しく話をしたり、友達と一緒に勉強したり、部活動でみんなと喜びや苦しさを共有したりすることは、今、長高でしかできないことです。これからも今やるべきことをやり、長高でしかできないことを大切にして欲しいと思います。
そして、始業式でもう一つ「あいさつ」についてお願いしました。「あいさつ」の「あ」は「あかるく」、「い」は「いつでも」、「さ」は「さきに」、「つ」は「つたわる」です。挨拶は長高生の欠点の一つだと思っています。生徒会が「あいさつ運動」をしたいと聞いた時はうれしくなりました。なぜそんなに挨拶が大切なのでしょうか?挨拶という漢字の持つ意味を考えてみましょう。もともとは仏教の禅宗で使用されていた「一挨一拶」、つまり「一つ押して、一つ迫る」「心を開いて接する」という意味の禅の言葉を当てはめたと言われています。この禅語の「挨拶」を漢文の読み下し文にすると、「挨く」と「拶く」となります。さて何と読むでしょう?「挨く」は「たたく」と読みます。扉をたたく、ドアをノックするという意味です。「拶く」は「ひらく」と読みます。扉を開く、ドアを開けるという意味です。「挨拶」をするということは、相手の心のドアを「トントン」とノックして、心のドアを「おはよう」「こんにちは」と言って開けることなのです。挨拶は人と人を結び付ける基本のものであり、お互いの心を開くことにもなるのです。人は一人で生きていくことはできません。人に助けられて人は生きていけるのです。助けてくれる人が多ければ多いほど人は幸せになれると思います。自分からの挨拶はその一歩です。
もう一つ挨拶の効果があります。ある元警察官の方が「挨拶を交わすことは互いに爽やかな気分になることはもちろんだが、実は犯罪抑止の観点からも大きな効果が期待できる。挨拶の声をかけることで、犯罪を企てている人物は何もできなくなる。自分の身を守るためにも、積極的に挨拶をしていくことは大切である。」と言っています。この長浜地域は高齢化が進んでいます。長高生が明るく元気な挨拶をすることで長浜地域が安全で住みやすい街になるようにしていきましょう。
最後になりましたが、新1年生は59人が入学する予定です。単身生も多くなります。水族館も移転します。長浜高校は令和6年度から新しく生まれ変わります。「シン・ナガコウ」になります。新3年生と新2年生が、今、ここでしかできないことに全力を尽くし、明るい挨拶をして、新入生に「おー!すごい!」と言われる先輩になることと地域の方々に「ありがとう!」と言われる生徒になることに期待して、3学期終業式の式辞とします。