<令和5年度 校長室より>

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  校長の灘野達人(なだのたつひと)です。生徒の皆さん、保護者の皆様、同窓生の皆様、そして地域の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。長浜高校に校長として赴任できたことをとてもうれしく思っています。生徒の皆さんが青春を謳歌できるよう教育活動を実践していきたいと思います。

 本校は「生徒一人一人を大切にする教育の推進」という重点努力目標に掲げました。それに加えて今年度の目標として、「今、長高(ここ)でしかできないことに全力で取り組む長高生を目指して」を掲げたいと思います。現在、世の中は情報があふれています。AIに頼ればパソコンやスマホ内だけで多くのことができてしまいます。しかし、そこに「感動」はあるのでしょうか?「本物」を見たり、触れたりすることで「感動」は生まれるのです。長高には「本物」がいっぱいあります。生徒達には、「今、ここ長高」で、感動かつドラマティックな青春を謳歌してほしいと思います。

 本校には、長浜の自然をもとにした素晴らしい「校訓」と「校是」があります。
校 訓(創立40周年を記念して制定)
 英知・・・物事の本質を見極め、深くすぐれた知性と創造力を身に付ける。
      『出石山のごとく高遠に!』
 互敬・・・お互いに敬い、協和し、周囲の人々の支えによって自分が存在することを知る。
      『伊予灘のごとく清く広い心で!』
 錬成・・・心身を鍛えて、物事にくじけないたくましさを身に付け。世の有為な人物となる努力をする。
      『肱川のごとくうまずたゆまず日々の積み重ねを!』
校 是(学校の目標とする方針)
 肱嵐晴昊(こうらんせいこう)-肱川嵐の吹き荒れた日は必ず晴天になる。明日を信じて今日を努力しよう!-

 「いまがその時、その時がいま」という言葉があります。いま真剣に目の前のことをやる人には、本当にやりたいことが見つけることができるという意味です。長浜の自然と地域の方々の温かさに触れ、「今、ここで全力を!」を合言葉に、二度とない高校生活を青春してほしいと思います。
 保護者の皆様、同窓生の皆様、そして地域の皆様、本校の教育活動に対するご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

令和5年度第2学期終業式式辞

2023年12月20日 11時07分
R5年度 校長室より

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今回の式辞はパワーポイントを使って話させていただきました。その原稿です。

2学期終業式 式辞

 皆さん、おはようございます。
 今日で2学期が終わり、あと10日で2023年も終わりを迎えます。まず、今年1年は皆さんにとってどのような1年だったでしょうか?私自身は元日にコロナにかかるという最悪のスタートを切りました。しかし、長高に4月から校長として勤務できる最高の喜びもありました。本当に充実した忘れられない1年になりました。世界に目を向けると「日本人には無理」と言われていたことが覆された1年でもありました。大谷翔平選手のメジャーホームラン王、8月に行われた世界陸上で女子やり投げでの北口榛花選手の優勝、男子バスケットボールワールドカップでの3勝など「日本人には無理」という「常識」を覆してくれ、私たちに勇気をくれました。しかし、一方では2月に起こった「トルコ・シリア大地震」では「東日本大震災」の犠牲者の約2倍である5万人以上の人々が亡くなり、9月に起こった「リビア大洪水」では1万人以上の人々が亡くなったり、行方不明になったりするなど、自然災害が世界各地で起こっています。また、ロシアによるウクライナ侵攻もまだまだ続いますし、イスラエルやパレスチナ自治区ガザ地区でも悲しい出来事が起こっています。少し世界にも目を向け、微力ながらも世界の平和や安全を祈りたいものです。世界の悲しい出来事に対して無関心にならないようにしたいものです。「グローカル」という言葉があります。是非、世界に目を向けながら、地域を大切にする行動をとってみましょう。
 2学期の長高を振り返ってみましょう。コロナ禍から解放されリミットがはずれ、エネルギー全開で盛り上がった「体育祭」と「長高フェスティバル」。一人一人が輝いた素晴らしい時間でした。また、多くの活躍もありました。「ローカルフィッシュ缶GP」での全国1位、北海道大学主催「海の宝アカデミック2023」での全国2位、秀明大学主催作文コンクールでの優秀賞、四国陸上新人大会2位、ガラスアートや清掃活動など地域を活気づけるボランティア活動、生徒会主催のカフェやラジオなど語りつくせないほどの活躍がありました。2学期も長高は最高でした。
 しかし、少し残念なこともありました。マラソン大会の時に歩いている生徒が多くいたことです。歩いた人は「走れなかった」のでしょうか?「走らなかった」のでしょうか?歩くという行動が同じでもこの二つは「心」の中では大きな差があります。一生懸命走る人と走らなかった人と大きな差を感じました。長高生の中で一生懸命頑張れる人と頑張れない人の間に大きな差が生まれてきていることが心配です。八幡浜高校の陸上長距離の指導で有名な倉田先生の「そんな人生でいいのか」という詩の一部分を紹介します。

 素晴らしい能力、個性を持っている。やる気はある。負けん気もある。
 しかし、その間にある根気がない。
 「やる気(目標)+根気(努力)+負けん気(力の発揮)」の3つがあって物事が成り立っていることが分かっていない。
 そんな人生でいいのか

 他人より努力しないでできることがカッコいいと思い、他人より努力してまでやりたくないと思う。
 どうしたら向上するのかを考えず、楽をするため、努力をやめるための理由を探す。
 努力をしないので、以前あった能力まで無くなってしまっている。努力しなければ現状維持ではなく、後退であることに気づかない。
 「能力の差は小さいが、努力の差は大きい。」
 その日が楽しければ明日はどうでもよい。そんな中で「どんな人生を」と聞くと「非凡なる人生」がよいと答える。
 非凡なことは、平凡なことの積み重ねであり、「その人にしかできない努力」が「非凡さ」であるということが分かっていない。
 そんな人生でいいのか

 楽して負けるより、苦しんででも充実した人生を過ごしたいと考えるのが普通である。
 しかし、(らく)して(たの)しい人生を過ごしたり、(らく)して勝ちたいと思ったりする者が多い。
 そんなことができるはずがない。楽をして他人より得をしたと思っているが、大きな損をしている。
 今日の楽が明日の大きな損になっているということが分かっていない。無理をしないものは無駄をしている。
 「思い出」も「できる思い出」と努力して「作る思い出」があることを知らない。「作る思い出」を大切にしてほしい。
 勝利・栄光・感動・思い出の陰に努力があることを知らない。
 努力しない自分が不安になり、努力しない仲間で集まってなぐさめあう。周りを見てその時だけ安心する。
 努力している者を妬(ねた)み、努力の邪魔をしたりすることさえある。
 楽しさの裏に苦しさが、苦しさの裏に楽しさがあるということが分かっていない。
 「2倍の努力でライバルに1%勝る」ことが勝利だということを知らない。
 「努力には夢がある」。楽してカッコいいのが幸せか?
 そんな人生でいいのか

 皆さんには可能性が無限にあるのです。その可能性を自分からつぶさないでください。「俺には無理」「私には無理」という自分の中の「常識」をぶっ壊してください。まずは目の前のことに頑張ってみましょう。そして2024年の自分自身に自分が期待してください。「努力には夢がある
 あと、今頑張っているのに苦しんでいる人もいると思います。「『肱嵐晴昊』肱川あらしの吹き荒れた日は必ず晴天になる。」明日を信じて頑張りましょう。そして、どうしても無理な時は、誰かに相談してください。
 最後に、年末年始は家族や親戚とゆっくりと過ごし、リフレッシュしてください。19日の始業式に皆さんと会うことを楽しみにしています。
 以上、2学期終業式の式辞とします。